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魚の漢字

第二回は、よくお寿司屋さんの湯飲みなどに書いてある魚の漢字。あれって読めそうで読めないものが多くありませんか?
漢字というのは「へん」と「つくり」にわかれていて、それぞれ色んな意味がこめられています。
魚の名前の由来も意外なところからきているものもあります。 たくさんある中から、ポピュラーな漢字をご紹介いたします。

まぐろ a tuna
その眼が黒いことから「眼黒」。それが「まぐろ」となったといわれています。 ちなみに10月10日は「マグロの日」。山部赤人が明石を旅した時に、マグロ漁で栄えていることたたえて歌を歌った日 からきているといわれています。
ぶり a yellowtai
旧暦の師走の頃、脂がのって食べ頃になるから魚へんに師をつけたといわれています。

くじら a whale
「京」は「高い丘」「大きい」という意味から とても大きい体をしているのでついたそうです。
たい sea bream / a red snapper
日本全国の周囲どの海でも周年とれる魚だから鯛とかかれるようです。 また周の字は、古代の中国では扁平(ひらたいこと)を意味するそうです。

かつお a bonito
保存食として素干にしたり、煮て干したりして用いられていた事から 堅魚[かたうお]の略称として「かつお」と呼ばれるようになったそうです。
あじ pompano
3月頃から最も美味しくなるため、漢字で魚へんに参(三)が当てられたとのことです。

いわし a sardine
ウロコがはげやすく取り扱いが荒いとすぐに弱ってしまうから魚へんに弱いと書くそうです。 すぐくさりやすいので「弱し」が転じたといわれています。 ちなみに10月4日-イ(1)ワ(0)シ(4)の語呂をとって「イワシの日」です。
さより a halfbeak
みた姿どおり。細長い魚だから細い魚と書いてサヨリとよみます。

きす a sillago / a smelt-whiting
「きす」の「き」に「喜(き)」をあてたものだそうです。
さんま a (Pacific) saury
秋に捕れる刀に似た魚だからこう書くそうです。

すずき a perch / a (sea) bass
魚肉がすすいだように白いから名付けられたそうです。
たら a cod(fish)
初雪のあとに獲れるので魚へんに雪と書いたそうです。

さけ a salmon
11月11日-鮭の日 圭のつくりを分解すると十一・十一となることからついたそうです。 また、圭という字は三角形に先が尖り 下方がずらりと伸びたものを意味するそうです。
あゆ an ayu / a sweet smelt
または香りが良いから香魚とも書きます。 昔はこの魚を占いに使ったという説もあるそうです。 ちなみに中国では「鮎」と書くと「なまず」を意味します。

うなぎ an eel
「曼」は長く伸びる、細長いという意味があるそうです。
いか 甲いか a cuttlefish
水面に浮かぶイカをついばもうとした鳥が、逆にイカにて足を巻きとられ水中に引き込まれる様子からイカは鳥を賊害するものとして烏賊と呼ばれるようになったそうです。

たこ an octopus
墨を吐いて姿を消し、敵から雲隠れすることから、<消>のつくりが付けられたそうです。 また「肖」には細いという意味があります。
あわび an ear shell / an abalone
「包」には中国では腹を開いて塩漬けにした魚という意味だそうです。

あさり a short-necked clam / a littleneck clam
「利」にはもともと「土を掘り起こす」という意味があるため、「利」をあてたそうです。 潮干狩りからきている漢字ですね。
うに paste of sea urchin eggs
海の中の栗のような姿をしているから海の栗でうに。 ウニの卵巣を塩漬けにした食品は通常「雲丹」と書きます。

えび a lobster / a prawn
腰の曲がった海の老人みたいなのでつけられたそうです。 昔の人はえびを虫かどうか迷ったため「蝦」とも書きます。
はも a pike conger
8月3日-鱧の日  昔、ハモは「ハミ」と呼ばれていたことから、ハミ(8・3)の語呂で決められました。 「ハミ」とは本来、マムシ・ヘビを表す言葉です。

にしん a herring
身を二つに裂いて保存するので二身という説と 両親の長寿を祈って食べる魚なので、二親魚からという説があります。
さわら a Spanish mackerel
腹の部分が狭いから、狭腹となり、それが転訛したものだそうです。

ぼら a gray mullet
おなかに「脂」がつまっている魚という意味で「シ」と読む字をあてたそうです。 「鰡」とも書きます。
かわはぎ a filefish
皮がはぎやすく、また皮をはいで料理することから名付けられたそうです。

わかさぎ a filefish
徳川時代に将軍家に献上したとから、公儀御用の魚からついたそうです。
はたはた a sandfish
魚へんに神とも書きます。

さば mackerel
サバが青いので日本で作られた文字です。
かれい a corbicula
「葉」は薄くて平たいという意味があります。


ます a trout
鱒は三年の古疵(ふるきず)もよび出す 鱒は、食べるととても精が強いので、昔の傷が膿むほどだという諺があります。
あなご a conger (eel)
名の由来は、穴にすむからだそうです。 一日の大半を穴の中で過ごします。

はまぐり a clam
蛤は「浜の栗」つまり、貝殻が栗の実の形に似ていることに由来しています。
ふな a crucian carp
今では各地で見られるゲンゴロウブナですが 昔は琵琶湖にだけしか 生息していなかったそうです。

しじみ a corbicula
面が縮んだようなので「ちぢみ・しじみ」となったそうです。